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東京新聞【社説】原発最長60年 国民の安全は二の次か

東京新聞【社説】原発最長60年 国民の安全は二の次か
2012年1月19日

 原発の寿命とは、そんないいかげんなものなのか。四十年といっていたはずが、半月もたたぬ間に最長六十年まで延びた。しかも基準は米国にあるという。安全への決意は一体どこへ行ったのか。
 原発の寿命は原則四十年。例外的に延長される余地はあるものの細野豪志原発事故担当相は「四十年以上の運転は極めて難しくなった」と言い切った。無理な延命は危険である、との認識に立つ見解ではなかったか。
 その原発相が外遊中に「実質六十年は運転可」とも受け取れる、延長期間の上限が示された。一体この政府はどうなっているのかと疑いたくなるような、激しい方針のぶれである。
 電力会社は、原発の老朽化を認めていない。「高経年化」と呼び変える。部品さえ交換すれば、老朽化はありえないという、極めて特異な考え方に立っている。
 たとえば関西電力美浜原発のPR施設には、老朽化は古くなって役に立たなくなったこと。高経年化は時間の経過を意味するもの。安全性、信頼性維持活動を行っている以上、老朽化に至ることはない、との掲示がある。
 事故を起こした福島第一原発の1~4号機は、運転開始から今年で四十一~三十四年という古い原発だ。老朽化が事故の一因になった恐れは十分ある。
 最長六十年は、米国にならって決めたという。安全の物差しが外国頼みとは、一体どういうことなのだろう。米国の技術者が、マークI型原子炉の欠陥を指摘したときには、一顧だにしなかった。
 世界で最も長く稼働中なのは、四十五年の英国オールドベリー原発だ。米国にも、世界にも、いまだ五十年を経験した原発はない。米国ではコストが合わなくなった一九六〇年代以前の原発は、大半が運転を止めている。
 私たちは、四十年の寿命が示された時、「四十年可の保証にするな」と主張した。寿命の根拠が明確に示されていない上、技術への過信が呼び起こした事故が、多くの人を今もなお、苦しめているからだ。その過信を正せずに、将来さらに重大な事態を招くのを心底恐れるからである。
 だから、もう一度繰り返す。電力の供給不安を訴える電力業界への配慮より、安全、安心を求める国民の、作業員たちの期待に応えるために、原発の延命には、厳しく歯止めをかけるべきである。
 私たち消費者にも、新時代に踏み出す覚悟はある。
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