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首都圏離れ復興担う 地域再生 震災が問う(1)

首都圏離れ復興担う 地域再生 震災が問う(1)

日経2012/1/24 6:07

 東日本震災を契機に、国内の人口移動に新しい潮流が生じている。首都圏から地方へ移住する流れが生まれ、その一部は復興支援のため被災地に向かう。人口の流動化は地方にとって地域活性化に欠かせない人材確保の好機になる。震災がもたらした変化が各地に及ぼす影響を探った。96958A9C889DE1EAE0E1E5E2EBE2E0E1E2E3E0E2E3E09EE2E3E2E2E2-DSXDZO3823711023012012L83000-PN1-4.jpg


 2月末、岩手県陸前高田市内の仮設商店街に起業する人のための貸しオフィスが誕生する。運営するのは震災を機に陸前高田にUターンした岡本翔馬さん(28)。郷里の復興のため、一般社団法人「SAVE TAKATA」(東京・世田谷)を設立、陸前高田に現地事務所を開いて復興に携わる首都圏の企業と地元の人を橋渡ししている。

■郷里のため退職

 岡本さんは仙台市内の大学を卒業後、東京で建築デザイナーとして働いている時に震災に遭った。毎週末、郷里でボランティアを続けるうち支援者と被災者の微妙な溝に気付く。「間を埋められるのは地元を出て東京に住む自分しかいない。地元のために人生をかけてもいい」と昨年5月に退職し、郷里に戻った。

 震災後、岩手、宮城、福島3県は転出数が転入数を上回る状況に拍車がかかり、3~5月は前年同期の3倍以上の規模に膨らんだ。ただ岩手、宮城両県では昨夏から人が戻り始め、7月以降、11月まで5カ月連続で転入が上回っている。

 自治体や企業が参画して移住を支援する移住・交流推進機構(東京・中央)は「被災地で復興に携わるため移住する人が増えている」と分析する。復興支援で移住する傾向は福島県でもみられる。



ふるさと復興会議で発言する移住者の戸田さん(21日、福島県南相馬市)

 21日、福島県南相馬市で移住支援団体が復興に移住者の声を反映させようと開いた「ふるさと復興会議」。震災後に東京から移り住んだ俳優・声優の武藤与志則さん(49)や、埼玉から移住したカフェ店経営の戸田光司さん(40)が出席した。武藤さんは南相馬でご当地ヒーロー映画を撮影して各地で公開する計画を紹介した。

 会場で聴いていた市復興市民会議委員の岩橋光善さん(67)は「都会とつながりのある移住者は発信力がある。南相馬の実情を都会に伝えてほしい」と歓迎する。

 福島県でも移住者の増加などから5~7月は転入が増えた。市町村別にみると、59市町村のうち、震災後に県外からの転入が前年より増えたところが12市町村ある。「Uターンが増えた」という西会津町は県外からの転入が前年の47人の2倍近い82人に上る。

■移動減に歯止め

 総務省の人口移動報告によると、3~11月に都道府県間で住民票を移した人は前年同期に比べ0.5%増加した。都道府県間の移動者は10年まで15年連続で減っていたが、震災がこうした傾向に歯止めをかけ、全国的に人の移動を促している形だ。

 各地域の動向をみると、首都圏への転入が減少する一方で、北海道や九州・沖縄など人気の移住地では増えている。島根県が昨年、東京で開いた移住相談会は前年より100人ほど多い242人を集めた。東日本が多かった首都圏からの移住先が西日本にも広がりを見せている。

 全国各地の移住情報を提供する特定非営利活動法人(NPO法人)ふるさと回帰支援センター(東京・中央)の高橋公専務理事(64)は「移住を決めかねていた人が震災で都市居住のリスクを実感し、移住を決断し始めた。地域間の競争も激しくなる」と話している。
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tomo

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