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03 28

太陽光の発電コストが家庭用の電力料金に並ぶ---コスト低下、普及に弾み 海外勢加わり消耗戦に

(上)コスト低下、普及に弾み 海外勢加わり消耗戦に

2012/3/27付日本経済新聞 朝刊

 太陽光発電の存在感が増している。風力や地熱に比べ設備建設の期間が短い即戦力として需要が拡大し、太陽電池価格の急落で弱点とされてきた発電コストも急速に下がっている。一方で、海外勢も加わる競争の激化でメーカーの採算は悪化、政府の普及促進策にも落とし穴が潜む。太陽光は安定的な電源の担い手に脱皮できるのか、その条件を追う。

海外太陽電池メーカーの国内シェア拡大でパネル価格が低下している(都内での展示会)

 「年内にも日本は『グリッド・パリティ』に到達する」。太陽電池世界最大手、中国サンテックパワーの施正栄・最高経営責任者(CEO)はこう予言する。

◎家庭用に接近
 「グリッド・パリティ」とは太陽光の発電コストが家庭用の電力料金に並ぶ状態。日本では1キロワット時あたり23円が第1段階の目安とされる。割高さから再生エネルギーの「劣等生」とみられてきた太陽光発電の普及が一気に加速する分岐点だ。「2011年までにイタリア、ドイツで到達した。次は日本」(施CEO)

 電源別の発電コストを試算した政府の検証委員会によると、10年時点の国内の太陽光発電コストは1キロワット時30~45円。23円との開きは大きいが、海外太陽電池大手の多くは「現状は同25~30円」と口をそろえる。東京大学の村沢義久特任教授は「最安のシステムを使えば日本でも発電コストは同20円を切る」とみる。

 世界の太陽電池需要の7割を占める欧州で、グリッド・パリティ到達の原動力となったのは、低コストを強みとする中国勢のシェア争いだ。激しい価格競争の結果、欧州の太陽電池価格は日本国内の6割弱の1キロワット当たり1000ユーロ(約10万9千円)以下に下がった。

 その欧州では債務危機の影響などで太陽電池需要が急減。中国勢が今、狙いを定めるのは日本だ。7月、太陽光など再生エネルギーでつくった電気を割高な価格で買い取る全量買い取り制度が始まる。メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けなどが伸び、「日本の太陽電池マーケットは一挙に倍増する」(中国トリナ・ソーラーの孫海燕副社長)と期待を寄せる。

 すでに日本は価格競争に突入している。太陽光発電協会の統計では、11年の国内出荷に占める輸入品は2割と、2年前の2倍に増えた。「1年間で太陽光パネルは4割以上値下がりした」(商社)。政府が09年にまとめたロードマップはグリッド・パリティ実現は17年ごろと予想したが、前倒しが現実味を帯びている。

◎急速に業績悪化

 サンテックやトリナなど海外太陽電池の主要5社は12年、日本で前年比4倍以上の合計約60万キロワット分の太陽電池の販売を計画する。実現すれば5社の国内シェアは合計で3割に達する見通しだ。10年のシェアで比べると国内2位の京セラを抜き、同1位のシャープに肉薄する。

 一方、太陽電池各社の業績は急速に悪化している。世界シェアの上位を独占する中国勢ですら、11年10~12月期は上位5社がすべて営業赤字。シャープも11年4~12月期の太陽電池事業は147億円の営業赤字だ。勝者なき消耗戦の様相に、サンテックの施CEOは「このままでは業界再編が不可避」と語る。

 下がっているとはいえ、太陽光発電のコストは一キロワット時あたり10円程度のガス火力発電にはまだ及ばない。一段のコスト低減が必要だ。太陽光の本格普及が、太陽電池産業の顔ぶれも大きく変える可能性がある。



(太陽光発電 飛躍の条件)(下)電力買い取りに商機 設定価格、普及を左右

2012/3/28付

日本経済新聞 朝刊



 稼働率の低いゴルフ場、閉山した採石場、売れ残った工業団地……。東京センチュリーリースで太陽光発電設備のリースを担当する荻野広明・環境エネルギー部長のもとには、こうした土地でメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業を検討する顧客の事業計画が次々と持ち込まれる。





ドイツのメガソーラー



 7月に全量買い取り制度が始まると、太陽光発電でつくった電気を割高な価格で電力会社に売ることができる。用途に困っていた土地も太陽光パネルを置けば「金の卵」を産む。「これほど多彩な業態から問い合わせがあるとは」。荻野部長は驚きを隠さない。



◎中小企業も参入

 全量買い取り制度の関連法案が成立した昨年8月時点では、参入に名乗りを上げるのはソフトバンクや三井物産など、豊富な資金を抱え、海外でのメガソーラービジネスのうまみを知る大企業が中心だった。制度開始まで3カ月余りとなり、「手堅く現金収入を得られる」とみた中小企業に裾野が広がってきた。

 住宅リフォーム大手ウエストホールディングスは14年度までに国内100カ所以上でメガソーラー建設を計画する。工期も短く、送配電網への接続への投資も少なくてすむ出力2千キロワット程度の中小規模に絞り込む。「買い取り期間中の売電収入の累計は1千億円超」とそろばんをはじく。

 メガソーラーの活況は周辺市場にも広がる。独ミュンヘン再保険(バイエルン州)が日本で売り込み始めたのは「太陽電池メーカーの倒産に備えた保険」。すでにメガソーラービジネスへの参入を狙う商社や金融機関など30社以上から問い合わせがあるという。

 メガソーラーへの参入にあたっては、事業を軌道に乗せた後に転売を考えている企業もある。太陽電池メーカーは通常、10~20年の性能を保証するが、この間にメーカーが倒産すれば、事業者は長期保証サービスを受けられなくなる。「保険料を払ってでもメーカーの倒産リスクをなくせば売りやすくなる」(ミュンヘン再保険)



◎家庭にしわ寄せ

 新制度の買い取り価格や期間は有識者らで構成する「調達価格等算定委員会」が4月中にも意見をまとめる見通し。1キロワット時35~40円を軸に検討するとみられ、メガソーラー事業者は「同35円以上なら十分利益は確保できる」と見ている。

 全量買い取り制度を先行導入した欧州では、メガソーラー建設に資金がなだれ込み、太陽光発電導入量の急拡大に結びついた。一方、買い取りの費用は家庭や企業の電気料金に転嫁される。

 ドイツではメガソーラー建設が加速した09年以降、買い取りコストの負担が一気に膨らみ、家庭への価格転嫁が3年間で3倍に急増した。1世帯当たり年1万3千円以上の負担に不満が噴出。政府は2月、太陽光発電の買い取りを総発電量の85~90%に絞り、一部の大型発電設備は買い取り対象から外す方針を表明した。

 全量買い取り制度という「カンフル剤」で量産効果や技術革新を誘引しつつ、消費者や企業が負担を許容できる範囲内にとどめられるのか。制度設計の“さじ加減”が太陽光の普及を左右する。

 松井基一が担当しました。

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tomo

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ジャーナリスト、池田知隆のブログです。最近の記事、イベント情報などを掲載しています。

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