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【国の避難指示で混乱と福島知事】国会事故調で  拡散予測削除では陳謝

【国の避難指示で混乱と福島知事】国会事故調で  拡散予測削除では陳謝 会場からやじも 

 福島県の佐藤雄平知事は29日、国会の東京電力福島第1原発事故調査委員会に参考人として出席し、事故当初の国による避難指示について「情報はメディアの方が早く、県の頭越しだった」と指摘、住民を避難させる際に市町村と連携が取れず、混乱を招いたと批判した。一方、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果が県に届きながらデータを削除したことは「ついつい見逃してしまった」と釈明、陳謝した。
 聴取は福島市内で、公開で行われた。
 事故直後、県が独自に原発から半径2キロ圏内の住民に避難を求めたことについて、佐藤知事は「国の対応を待っていては県民の安全を守れないと決断した」と説明。政府がその後、原発から半径3キロ、10キロ、20キロと避難指示を出したことには「事前に連絡もなく、根拠も示されず、一方的で矢継ぎ早に示された」と不快感を示した。
 県は昨年3月12~16日の間、SPEEDIの試算結果86通を受け取りながら、職員がメールの大半を削除していた。委員から情報管理の不備を指摘されると「(他にも)たくさんの資料が入っていた」「国から指示が来ると思っていた」と弁明した。
 1号機などの水素爆発で、県が直後に情報を把握しながら、関係自治体には伝えられなかったことも指摘された。佐藤知事は「万全の態勢をつくっていたが、通信網が途絶えていた」と述べた。
 委員が、2010年の3号機プルサーマル導入前、東電による耐震安全性評価の中間報告書で津波に関する言及がなかったことに触れ「津波対策を求めていれば、事故を防げた可能性もあったのでは」と指摘したのに対し、「確認していなかった」「(東京)電力さんは想定外と言っていたので」と言葉を濁した。

◎危機管理強調も答え窮する 
 福島知事、会場からやじ 

 東京電力福島第1原発事故で今も多くの県民が避難し、風評被害にも苦しむ福島県。国会の事故調査委員会の参考人聴取を受けた佐藤雄平知事は29日「危機管理の在り方を見直したい」と述べたが、県の責任を問う質問への回答に窮し、後ろに控える事務方にたびたび助けを求めた。会場からは「おまえじゃできない。具体的に言え」とやじが飛ぶ場面もあった。
 福島県は、国から受信していた緊急時迅速放射能影響予測 ネットワークシステム(SPEEDI)のデータを誤って消去。風向きの影響で放射線量の高い方向に避難を余儀なくされた福島県浪江町民などから強い批判を浴びている。
 事故調の委員から「情報管理の仕方に問題があったのでは」と問われると、知事は 「たくさんの資料が入っていて、(データを)ついつい見逃し、県民に心配を掛けた」と陳謝。一方で「原子力安全は一元的には国の責任だ」とも述べた。
 傍聴席から声を上げた福島市の男性会社員(42)は、終了後の取材に「質問への答えも的を射ず、はぐらかしていた。『国のせい』にしていた」と怒りを隠さなかった。
 浪江町の警戒区域から福島県二本松市に避難し、仮設住宅で暮らす佐藤秀三さん(67)は「国からも県からも全く情報がなく、原発がどうなっているか、どこへ逃げたらいいのか、何もかも分からなかった」と避難時の混乱ぶりを振り返った。「検証も大事だが、誰でもいいから強いリーダーシップを発揮して、今後の具体的な道筋を示してほしい」とうんざりした表情で話した。
(共同通信)
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